ミヤケ トシヒコ   MIYAKE TOSHIHIKO
  三宅 俊彦
   所属   淑徳大学  人文学部 歴史学科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2015/09
形態種別 学術論文
標題 出土銭からみたモンゴル社会
執筆形態 単著
掲載誌名 チンギス・カンとその時代
出版社・発行元 同成社
巻・号・頁 86-102頁
概要 モンゴル帝国期におけるモンゴル高原で使用されていた銭貨について概述している。この時期には北宋銭を中心に多くの中国銭貨が使用されており、その使われ方に特徴がある。特にアウラガ遺跡及びカラコルム遺跡の宮殿とされてる遺構からは、かなり高い確率で金の大定通寳が出土する。これらの遺跡・遺構は聖域や宮殿など、聖域に属するものであり、そこに持ち込まれる銭貨として、特に大定通寳を選んでいるものと考えられる。その理由は「大定」の字義や精巧な作りが好まれたためと考えられる。またカラコルム遺跡の十字路の家や東門から出土した銭貨は北宋銭を中心としている。これらの遺構は都市や門前の市場に属する地区に所在することから、モンゴル帝国の貨幣経済の様相を反映していると考えられる。中国銭が主体である点などから、中国本土の貨幣経済の影響下にあったものと推測した。また、これまで遺跡から発見されることのほとんどない「大朝通寳」という銭貨も検討した。その結果、この銭貨はモンゴル帝国初期に、大定通寳を真似て鋳造した可能性があることを提示した。