教員情報 |
ツネミ コウヘイ
TSUNEMI KOHEI 常深 浩平 所属 淑徳大学 人文学部 人間科学科 職種 准教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2021 |
形態種別 | 学術論文 |
査読 | 査読あり |
招待論文 | 招待あり |
標題 | 物語読解の身体化認知:知覚的長期記憶と自伝的記憶の役割と広がり |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 認知科学 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 日本認知科学会 |
巻・号・頁 | 28(4),642-652頁 |
概要 | 本稿では物語長文読解と身体化認知の関係を取り上げ,まず物語読解時に構築される心的表象である状況モデルに読者の知覚的記憶が関与している可能性を論じた.続いて知覚的記憶の中でも自伝的記憶に含まれる知覚的情報に注目し,読者の過去の知覚的経験の記憶が読解中に用いられて物語読解中の擬似体験が成立していると考えられることを論じた.さらに,状況モデルと自伝的記憶との構造的類似から現実の経験と同様に状況モデルが構築されている可能性について論じた.次に,言語に関する身体化認知研究から見た場合,物語長文読解時にのみ,個別の状況モデルに還元できないまとまった構造を持つ心的表象の集積が構築される点が他の言語表現にはない特徴である点を論じ,さらにその自伝的記
憶との類似性から,現実の認知についても同様の枠組みで検討ができることを論じた.最後に試論として,物語読解と自伝的記憶,現実の理解を統合する研究領域として,子どもの物語理解の発達的研究を理論的に位置付け,その可能性を論じた. |