教員情報 |
タナカ ノリヒロ
TANAKA Norihiro 田中 則広 所属 淑徳大学 人文学部 表現学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2013/06 |
形態種別 | 学術論文 |
標題 | 植民地期朝鮮映画界における日本人の活動とその展開 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 早稲田大学リポジトリ |
掲載区分 | 国内 |
概要 | 植民地期の朝鮮映画界における日本人の活動、及びその展開過程の精査を通して、朝鮮半島で日本人が担った役割を検討・分析し、歴史的位置付けを試みた。
その結果、朝鮮映画界における日本人の活動は、資本家による資金力を背景とした経済的支配と朝鮮総督府を中心とした政治的支配が続く中で展開されたことが実証された。36年に及んだ日本の植民地支配の中で、朝鮮の映画界は日本人によって多くの作品が持ち込まれ、映画製作に対する「支援」が行われるなど、土台作りが進行した。こうした中には、朝鮮映画界の発展に「貢献」すべく尽力した日本人(撮影技師など)も存在したが、大勢としては映画事業の基本的な目的は経済的事由によるものであった。しかし、1930年代には「満洲事変」が勃発、その後の盧溝橋事件に端を発した日中戦争の泥沼化、やがて1941年の日米開戦へと至る過程において、朝鮮において映画事業に携わる日本人の姿勢は徐々に経済優先から政治優先へと変化していく。映画がプロパガンダの手段として一層の役割を求められるようになったこと、また、映画に対して朝鮮総督府や朝鮮軍が関与の度合いを強めたことなどが主たる要因であった。 |