教員情報 |
ツネミ コウヘイ
TSUNEMI KOHEI 常深 浩平 所属 淑徳大学 人文学部 人間科学科 職種 准教授 |
|
言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2014/03 |
形態種別 | 学術論文 |
査読 | 査読あり |
標題 | 物語理解のための表象分節化理論の試み |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | いわき短期大学研究紀要 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | 47,39-52頁 |
著者・共著者 | 常深浩平 |
概要 | 本稿は「物語理解のための表象分節化理論の試み」と題し、まずショーペンハウアー(1819, 1980)の「世界はわたしの表象である」という言葉を、現代の心理学の知見をもと説明した。すなわち、分節化という概念を用いて、空間、時間、世界という3段階の分節化を経て、自他の区別を核とする空間的表象、過去と現在の区別を核とする記憶表象、現実と虚構の区別を核とする世界的表象が成立していくことを述べ、この3つ目の世界的表象をショーペンハウアーの言う「表象としての世界」と位置付けた。また、丸山(1987a, b)の用語を援用し、空間的表象が「身分け世界」、世界的表象が「言分け世界」に対応し、言葉を代表とする記号能力の獲得と発達によって移行することを示した。
さらに上記の表象分節化理論をもとに、広義には第三段階の世界的表象が物語であり、狭義には世界的表象の内、現実ではない世界、もう一つの現実である表象、いわゆる虚構・フィクションが物語であると定義した。 物語をこのように定義することで、現実と虚構の混同が起こること、現実が持つ物語性などを整合的に説明できることを述べた。 |