教員情報 |
ヨコテ タクジ
YOKOTE TAKUJI 横手 拓治 所属 淑徳大学 人文学部 表現学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2024/03 |
形態種別 | 学術論文 |
査読 | 査読あり |
標題 | 反撥と共振 ~漱石・秋聲「通底するもの」に関する考察 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 『淑徳大学人文学部研究論集』第9集 |
掲載区分 | 国内 |
著者・共著者 | 横手拓治 |
概要 | 夏目漱石と徳田秋聲は活動時期が重なり、交渉の機会は充分ありえたはずである。しかし断片的な小エピソードを除き題材に乏しく、本格的な比較もなされずにいた。流派や立場の違いが理由とされてきたが、その次元の理解でよいのだろうか。本稿は江藤淳の問題提起を前提に、両者の内面に着目しながら「通じあうもの」を考察する。Ⅰ篇では二一世紀に至る決定版全集や関連文献をもとに改めて資料踏破に取り組むとともに、僅かにあった交流の中身と漱石の好意、秋聲の無関心について検討を加える。Ⅱ篇ではほぼ全体を使い、従来問題とされてきた漱石の秋聲批判〈フイロソフイーがない〉を考察する。漱石の発信動機や秋聲の反論については時間軸を比較的広くした資料検討を行い、それらを通じて「反撥」の内実へ接近を試みた。Ⅲ篇ではⅠ、Ⅱの論点をふまえ、両作者の作品に改めて目を向ける。文章の流れや表現のニュアンスなどにも関心を寄せながら、背後にある両作家の倫理観や心的傾向に着目し、江藤淳が示唆した「共通するもの」の解読をめざした。 |