ヤマシタ サチコ   YAMASHITA SACHIKO
  山下 幸子
   所属   淑徳大学  総合福祉学部 社会福祉学科
    淑徳大学大学院  総合福祉研究科 社会福祉学専攻
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2003/03
形態種別 学術論文
査読 査読あり
標題 【研究ノート】  つくられる「障害」 ―障害当事者による障害学の視点から
執筆形態 単著
掲載誌名 『福祉文化研究』
巻・号・頁 (第12号),66-73頁
概要 本論文は、1960年代以降、イギリスにおいて登場した障害学(Disability Studies)理論を中心に考察を進めている。障害学は、従来から支配的であったモデルである、障害の原因を個人に帰す「個人モデル」を批判し、社会構造が障害をつくりだすのであり、社会が生み出した不利益こそを問題視しなければならないといった「社会モデル」を主張している。本論文はこの社会モデルを理論の基礎としながら、障害の社会構築、そして社会的抑圧が障害者にどのような影響を及ぼしているのかということを考察したものである。結論として、障害の社会モデルの提唱はイギリス障害学の最大の成果であったが、障害者の多くがそれまでの生活史から個人モデルを内面化しており、障害者の内面化された抑圧からの解放を目指すために、障害者のエンパワメントを考えることが重要であることを指摘した。そのためには障害概念の転換と、そのことを社会に認知させていく運動をすすめていくことが必要である。