ササキ トモエ   
  佐佐木 智絵
   所属   淑徳大学  看護栄養学部 看護学科
    淑徳大学大学院  看護学研究科 看護学専攻
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2017/03
形態種別 学術論文
査読 査読あり
標題 慢性心不全と慢性閉塞性肺疾患を合併している患者の生きられた体験-活動の調整に焦点を当てた解釈-
執筆形態 単著
掲載誌名 関西国際大学研究紀要
巻・号・頁 (18),95-107頁
概要 慢性心不全(CHF)と慢性閉塞性肺疾患(COPD)を合併しているA氏の語りを、解釈学的現象学の手法を用いて解釈を行った。活動の調整に焦点をあてて解釈を行ったところ、A氏の活動の調整の仕方は【複雑な症状を体力として理解する】ことで【体力に見合った範囲で活動できるように生活の範囲を狭める】【疲れるような動き方をしない】【体力を維持できるようにやってみる】というような活動の調整の仕方を行っていた。こうした活動の調整の仕方は、何かをあきらめるということではなく、余分な活動をそぎ落として負担を減らすことで【慣れている生活の仕方を守る】という意味があった。A氏は、呼吸苦や動悸などの症状を、総じて体力としてとらえることで、症状を生活活動の背景として受け入れることで、症状も生活を送るうえで使用可能な道具として手許にあるものにしていた。これらの結果から、患者が体験している症状を丁寧に聞き取ることで、病気を持った患者の身体に手許性を持たせるアプローチによって、患者の活動性が維持・拡大される可能性があることが示された。