教員情報 |
タナカ ノリヒロ
TANAKA Norihiro 田中 則広 所属 淑徳大学 人文学部 表現学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2024/03 |
形態種別 | 学術論文 |
査読 | 査読あり |
標題 | 韓国在住脱北者による北朝鮮向け情報発信の役割と課題~「北韓改革放送」の事例を通して~ |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 淑徳大学人文学部研究論集 |
掲載区分 | 国内 |
巻・号・頁 | (9),53-67頁 |
概要 | 1990年代から2000年代にかけて大韓民国(以下、韓国)では、朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)との関係改善を推進する進歩系政権の下、北朝鮮向けの情報発信に大きな変化が生じた。当時、公営放送(日本の公共放送に相当)のKBSが担ってきた北朝鮮向けラジオ放送(以下、対北放送)は、批判的な内容の自制や、放送規模の縮小などが求められ、チャンネルの性格自体が変容していった。こうした中、対北放送の弱体化を不安視する人権活動家や脱北者の間から、北朝鮮に向けた情報発信の動きが出てきた。
韓国において、すでに20年近い歴史を持つ民間対北放送のうち、本論文では、脱北者らが中心となって立ち上げた「北韓改革放送」を対象に、その役割と課題を検討した。 検討結果からは、聴取ターゲットを北朝鮮のエリート層に絞り込み、国際情勢、人権問題、哲学など、聴取層の知識レベルの高さに合わせたコンテンツを重点的に編成していることや、運営資金の大半を米国の政府系機関に依存することで、韓国の国内政治の直接的な影響から距離を取ろうとする運営上の工夫などを確認することができた。 |