教員情報 |
ナカノ マサアキ
中野 正昭 所属 淑徳大学 人文学部 表現学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2024/03 |
形態種別 | 学術論文 |
招待論文 | 招待あり |
標題 | 興行からみた博多にわかの展開――旦那芸と商業演劇―― |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 東アジア文化圏の大衆的芸態における近代化・グローバル化の旅路:論文集 |
掲載区分 | 国外 |
出版社・発行元 | 立教大学アジア地域研究所 |
巻・号・頁 | 40-66頁 |
著者・共著者 | 中野正昭 |
概要 | 本稿では、明治~昭和期の九州博多の演劇興行の展開を中心に「博多俄」が興行物としての形態を整えていった過程とそこで浮上した課題を考察する。一般に日本の近代的演劇興行は劇場、劇団、興行主が柱となって制度化されたが、東京や関西の大都市部以外の地方都市では独自の発展をみせた地域も多かった。福岡県の博多地区もそのひとつで、博多では明治以降大劇場が建設され、演劇興行が盛んになるが、これらを取り仕切ったのは興行主ではなく主に演劇好きの商工人たちだった。また博多俄もまず裕福な商工人たちの旦那芸として発展し、その一部が昭和に劇団の形態をもつ商業俄へと転じた。そして長い間「俄」を非営利的な旦那芸として享受した博多では、商業俄を観客に媚びたものとして低く見る傾向が現在も残っている。博多俄の場合、民俗芸能から近代的な商業演劇への展開は、必ずしも理想的な演劇と興行の発展ではなかったといえる。 |