コバヤシ ヒデキ   KOBAYASHI HIDEKI
  小林 秀樹
   所属   淑徳大学  総合福祉学部 教育福祉学科
   職種   教授
言語種別 日本語
発行・発表の年月 2011/01
形態種別 学術論文
標題 倫理と道徳教育の基礎づけについて―ノディングズのケアリングの倫理を手がかりとして―
執筆形態 単著
掲載誌名 哲学・思想論叢
出版社・発行元 筑波大学哲学・思想学会
巻・号・頁 (第29号)
概要 哲学あるいは倫理学が道徳教育や倫理教育に対してどのような貢献をなしうるかという課題への寄与を期待して、「なぜ道徳的であるべきか」という問いに関して、ウィリアム.K.フランケナとN.ノディングズの議論を手がかりに考察した。フランケナの議論において先の問いは、「なぜ私は道徳的であるべきか」という問いとして、もっぱら道徳的であることの正当化の問題として考察される。しかし、彼の議論によれば正当化には限界があり、道徳的であることは、それを選択する人間の問題とされる。だが、道徳的であることを選択する特質を、私たちがどのようにして有するようになるのかについては答えられていない。この問題に対し、ノディングズの「ケアの倫理」は、ケアリング関係を人間の存在論的基盤として位置づけ、その関係に基づく倫理的理想を育む教育の必要性を説いており、倫理、道徳教育、そして倫理学の関係を考察する上で、一つの足掛かりとなる可能性を指摘した。