タナカ ノリヒロ   TANAKA Norihiro
  田中 則広
   所属   淑徳大学  人文学部 表現学科
   職種   教授
発表年月日 2023/03/19
発表テーマ 韓国の民間団体主導による「対北放送」
発表学会名 日本比較文化学会 第58回 関東支部例会 研究発表
主催者 日本比較文化学会関東支部
学会区分 地方学会
発表形式 口頭(一般)
単独共同区分 単独
開催地名 東京:東京未来大学
概要 冷戦末期、西側諸国からの電波は、東欧の社会主義国の内部に変革をもたらし、民主化を求める人々に影響を与えた。2023年の現在も、国際社会から変革を求められている国々に対して西側の主要国は電波を発射しているが、主要対象国のひとつに北朝鮮=朝鮮民主主義人民共和国がある。とりわけ、軍事境界線を挟んで対峙する韓国からは、公営放送、宗教放送、北韓離脱住民(いわゆる脱北者)や韓国の人権活動家が中心となって運営する民間放送など、多様な形態による「対北放送」、すなわち、北朝鮮住民に聴取させることで内部からの変革を目的とした宣伝放送が行われている。
 今回は、進歩系の盧武鉉政権下の2000年代半ば、相次いで誕生した民間団体主導の対北放送3社(国民統一放送、自由北韓放送、北韓改革放送)を取り上げる。当時、北朝鮮に対する融和政策を続ける国の方針の下、北朝鮮に対する批判的な内容の自粛が目立つようになった公営放送の役割を、これらの民間放送が担うことになった経緯、また、放送目的や番組編成にみる各社の特色、そして、新型コロナウイルスが番組制作などに与えた影響について報告する。